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夢をつかんだ先輩たち

更新日: 2024年3月 1日 15:06

OB・OGからの応援メッセージ

タイシンでの1年があったから、今がある

タイシンでの1年があったから、今がある

名古屋経済大学市邨高等学校  野球部監督

後藤 祐貴さん

鹿屋体育大学卒/2003年本科在籍

タイシンで経験した「挫折」が気づかせてくれた、社会で活きるバランス感覚

 「一般的には、『現役合格』『新卒内定』『永年勤続』というレールを進んでいくことが素晴らしい人生なのかも知れません。でも、そうでない人生が、果たして充実していないのか…決してそんなことはないと思います。むしろ、僕にとっては、タイシン本科での経験が、今の人生をかけがえのない、深みのあるものにしてくれたと思っています。」と後藤さんは言う。

 続けて、「その時は、今ほど確信めいたものを持っていたわけではないのですが、タイシンでの生活自体がまさに『人生の縮図』だったと思います。高校とはまったく異なる、全国からいろいろな個性が集まり、競い合い、また高め合う場所。そういうなかで、自分を保ち、成長させつつ、人間関係も構築しなければならない。この1年が今、多感な高校生と向き合い、さらに複雑化する教育現場において、自らの思いを実現させつつ、環境に溶け込む『セルフマネジメント』と『バランス感覚』をもたらしてくれたと感謝しています。」と当時と今に思いを馳せる。

名古屋経済大学市邨高等学校  野球部監督  鹿屋体育大学卒/2003年本科在籍  後藤 祐貴さん
 

個性を生かす時代だからこそ、社会で求められる『基礎力』と『気づき』の感性

 個性を尊重し、多様性を求める風潮は、時に主張の際に持ち出され、全体を正当化する”魔法”のように姿を現します。「こういう時代ですから、”できるところ”をアピールするのはいいことです。ただ、そうはいっても、実社会ではたくさんの選択肢のなかから、自分を選んでいただいたり、評価していただくことになります。個性をしっかりと主張するための、基本的な力を養うこと、それに気づく力を身につけさせることが部活動を含めて、高校での教育としてとても重要なことかなと感じています。そのためにも、時に厳しく接することもありますが、こちらが信念と情熱を持って接すれば、自ずといい方向に進んでいくもの。逆に、生徒も、親御さんに対しても、きれいごとやその場しのぎは通用しませんから。」と教育現場の今を語る後藤さん。

 また、指導にあたっては、音楽教諭だった母の影響も大きいとか。「今は画一的に与えられる時代ではありません。自分で気づいて、可能性を探り、また危険を回避していかなければなりません。『気づき』の感性を育てるところについては、母の言葉は教えのベースにありますね。」。

 自信を持って未知なる人生の扉を開けるためにも、自分自身で、多くのことを経験し、『気づき』の心を育んでほしいし、その一助となれる指導者であるために、僕自身もさらに精進したいと思います。


タイシンでの指導、講師としての経験から得た「やりがい」

 「小さい頃はみんなが描く”プロ野球選手”なんて夢を持っていました。」という大橋さんが教師に魅力を感じたのは、一番身近にいた母の存在だという。「僕が小学校のころ、小学校の非常勤講師をやっていて。幼いながらに、すごく眩しく見えたのを今でも覚えています。」と振り返る。

 その思いが夢のつぼみへと変化し、確信に至ったのは、自身が経験したタイシンでの職員経験や講師を務め、生徒を指導した実体験から。「指導する、教育するという現場は思っていた以上にいろいろな場面があり、生徒指導以外のところでのストレスも多くありました。その中でも、素直に向かっている生徒からたくさんの宝物をもらえたんです。合格という結果だったり、きっかけをつかめたという自信だったり。些細なことの方が多いと思うんですが、生徒たちの笑顔のつぼみを弾けさせるお手伝いができる”教員”という仕事にこれ以上ない『やりがい』を感じてから、一気に進み始めた感じがしますね。」と仕事の魅力を語る。

名古屋経済大学市邨高等学校  女子バレーボール部顧問

大橋 健太郎さん

日本体育大学卒/2000年本科在籍

名古屋経済大学市邨高等学校  女子バレーボール部顧問    日本体育大学卒/2000年本科在籍大橋 健太郎さん
 

経験が自分を育てるし、多くの引き出しを与えてくれる

 タイシン本科での経験が、今の自分の礎となっていると思います。タイシン時代、新聞奨学生として朝夕の新聞配達との両立はすごくハードで大変だったんですが、運動能力が高く、目標が明確な人ばかりの中で、負けないように必死に食らいついていたと思います。先生方も”全員で志望校に受かるぞ!”って感じで、高校以上に熱く指導してくださったので、苦しいことも多かったですが、前向きに取り組むことができたし、一歩成長できたのではないかと思います。また、講師時代にバレーを教えた経験から、今は女子バレー部の顧問をしています。経験のないことを一から積み上げていくというのは本当に大変で…でも、この過程で『当たり前のことを当たり前にする』ということの大変さ、大切さを知り、この積み重ねが魅力ある人を育てるには大事なんだと気づかされました。

 無駄な経験もないし、無駄な苦労もありません。目の前にあることを大切に、夢に向かって一歩一歩、歩んで行ってほしいと思います。



 私はタイシン本科の1年間を、新聞奨学生として体育進学センター代々木校にお世話になりました。当時、初めての一人暮らしでしたが、新聞販売所の所長さんをはじめ、スタッフの方々、先輩方や同期の皆さん、そしてお客さんお声をかけていただきながら、支えてもらいました。

 おかげで配達や金銭面にも大きな心配をすることなく、筑波大学に進学するための勉強とトレーニングに打ち込むことができました。

 大学に進む前に働くこととの責任感を学べたことが、自分の大きな成長につながったと感じています。この経験から、大学時代には積極的にインターンシップに参加できました。また、学習計画を立ててコツコツと配達生活との両立に取り組む経験が自信となり、今の指導者の仕事にも役立っています。

 ぜひ皆さんにもタイシン本科生(新聞奨学生)として、人並み以上の1年間の成長と自信を持って、大学に進学してほしいと思っています。頑張ってください。

著者:体育進学センター