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高校先生の皆様へ

危ない大学

−高齢社会−

  • 日本は65歳以上の高齢者人口が1970年に全体の7%を占め高齢化社会になり、1994年には14%を超え高齢社会となり、高齢化が急速に進んでいる。
     医学・福祉はもとより、スポーツ・健康分野への関心も非常に高まり、これらの分野を体育系の大学で学問として学び、それを生かせる就職を希望する人もかなり増えている。
    体育系大学への進学希望者も多く、人気分野であるため合格するのは容易でない。
    卒業後は、保健体育教員・警察官・消防士などの公務員、救急救命士・理学療法士などの国家公務員、健康・スポーツ指導者(インストラクター、トレーナーなど)、健康・福祉介護士、スポーツ関連企業...といった職種に就くことができる。

  • 今後、団塊世代の退職が続く、東京・大阪・愛知などでは、教員不足が心配されている。警察や消防などの公務員、民間の企業においても人手不足が問題となっている。
     運動部に所属している高校生は、将来の職業として体育教員を希望する者が多い。
    これは体育系の大学に進学し、保健体育の教員免許を取得し、教員採用試験に合格しなければならない。
    民間企業でも採用試験に合格しなければ就職はできない。
    大学卒業後の進路を考えて、大学4年間を過ごさなればならない。つまり、しっかり勉強しておかなければ、就職も難しくなるということ。

−少子化と大学の現状(大学運営の危機)−

  • 2005年度の大学数は726(国立98、公立52、私立415)で、10年間で161校増加。

  • 2005年度の大学進学者数は568,336人で、1995年度は597,986人で、約30,000人の減少。
     大学も二極化現象が起こり、人気のある大学と人気のない大学とが顕著になってきている。
    少子化が大学運営に大きな影響を与えている。
    事実上潰れた大学も数校あり、定員割れをおこしている大学は100校を超える。
    定員の50%をきる学生数になれば、補助金もカットされる。
  • 現在、大学入試には推薦入試・一般入試の他にAO入試が導入されている。AO入試は、国立で約30%、公立で約20%、私立では約70%が導入されている。
     少子化を背景に大学運営の苦しさからAO入試を「青田買い」の手段としている大学も少なくない。
    「大学に来れば、面接を受ければ」内定(合格)で、あまりにもひどいと感じる大学もある。
    エントリーシートと面接というのが一般的で、受験勉強もあまり必要とせず、出願に関しても制約がないため、努力したくない高校生が多数受験する。
    いい加減なAO入試をやっている大学では、入学してくる学生の学力レベルが低く、大学自体のレベルもどんどん落ちていく。
    また、こうした入試制度があるために勉強しない高校生が増えているといった厳しい現状がある。

  • 体育系大学の人気が高いという状況で、志願者の減少傾向が続いている大学(従来体育系ではない)が体育・スポーツ・健康分野の学部・学科を新設している。
     社会のニーズがあると言えば聞こえはいいが、こうした新設の裏には入学者確保の目的がある。
    そうした大学に従来設置されている学部・学科の志願者数や入学者数は減少傾向にあり、定員割れをおこしている場合もある。
    推薦入試やAO入試での合格者が定員の大半を占めるところも見受けられる。
    大学存続のためには手段を選ばないというところまで追い詰められている感がある。
    「学力低下」が深刻な問題として取り上げられているが、こうした現状ではその打開策を見つけるのは難しい。

−大学選択(伝統校と新設校)−

  • 昔は偏差値で大学が評価されたが、現在は偏差値ではない。
     大学選びのポイントは、大学卒業後の進路(就職実績)、大学の環境専門分野の教授が揃っているか、学習設備・運動施設が充実しているか、運動部の種類と活動状況取得可能な資格就職支援体制)である。
    こうした点に優れている大学は依然として偏差値も高いのだが、下のランクの大学は合格しやすいからといって進学すると4年後に厳しい現実に直面することになる。

  • 安心して進学できる大学とは。
     一言で言えば、今後潰れる危険性のない大学ということになる。
    過年度のデータから、志願者数が減少傾向になっていないかどうか。
    入学者数が定員割れを起こしていないかどうか
    一般入試での入学者が全体の50%か、またはそれに近いか。
    25%を切るようだと学生のレベルに?がつく。
    つまり大学教育を受けるレベルがあるのかどうかということだ。
    それから、就職実績がしっかりしているかどうか。こうしたことに関するデータが、未公表であったり、不明瞭である大学は安心して進学できる大学とは言えない。

  • 伝統校と新設校の違い
     伝統校の場合は上記の条件が整っている(中には、社会の変化に対応できずに衰退していく場合もあるだろうが)。
    新設校に新しい魅力を感じるから入学するという生徒は少ない。
    地方在住の高校生の場合は、家庭の経済的な事情から都会の大学に進学できない場合もある。
    学科や実技の努力不足で従来の体育系大学には合格できずに、合格しやすい新設校へ流れる場合も多い。
    大学に進学できるのならば専門学校よりは大学がいいという場合もある。

    新設というと「新しいものへの魅力」を感じる人も多いだろうが、「未知のものへの不安」も多々ある。
    伝統と実績のある大学には、社会に出て活躍している先輩が多数いる。
    こうした先輩がいるのといないのでは、就職活動の際、それから就職した後でも、状況はずいぶん違う。
    学閥によるいじめがあったりもする。
    入学してくる学生の質の違い、長年学生を指導してきた経験の違いも大きく影響する。
    先輩がいないから、何をするにも目安となるものがない。

  • 受験の注意
     入学試験の難易度や試験科目・種目のチェックだけでは不十分です。
    全体の定員数選抜方式ごとの定員数と割合にも注意が必要です。
    東海大学の体育学科のように、定員が少なければ、優秀な学生でも合格するのが難しくなります。
    また、AO入試や推薦入試での入学者の割合が多い大学の場合は、一般入試の定員が非常に少ない場合もあります。
    後者は、入学してくる学生の学力レベルが低く、進学を薦めるには?がつく大学が多いようです。

  • 伝統校への挑戦
     体育系の大学の一般入試では、学科試験と実技試験があります。
    出題傾向や試験のレベルを把握し、受験対策に取り掛かることが重要です。
    簡単に言ってしまえば、基礎学力と基礎運動能力を十分身につけておくことが合格への第一歩です。
    部活をやっていても、基本の勉強はしっかりやっておく。
    自分の好きな種目だけでなく、バランスよく基礎体力・基礎技能を身につけておくことです。
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