はじめに:前年の募集要項は「結論」ではなく「読み方の練習」に使う

高校2年生の1〜3月は、今年度(次年度)の募集要項がまだ公開されていなかったり、更新前だったりする時期です。この段階で総合型選抜や学校推薦型選抜の要件を決め打ちして準備を進めるのは、情報の更新によって前提が変わる可能性があるため、慎重さが必要になります。
一方で、この時期でも確実に前へ進められる方法があります。それが「前年(前年度)の募集要項を確認して、読み方の型を作っておく」ことです。前年の情報は今年度の内容を保証するものではありませんが、募集要項に何が書かれていて、どこを見れば確認できるかを知るには十分役立ちます。春以降に今年度の要項が出たとき、同じ場所を見て差分を確認するだけで済む状態を作ることが、この記事の目的です。

「前年要項を見る」ことで得られるのは、条件の確定ではなく“確認の順番”

前年要項の価値は、数字や条件を暗記することにありません。価値があるのは、情報の配置と表現の仕方を知り、「どの順番で確認すれば抜け漏れが減るか」を作れる点です。
たとえば、出願の条件に関する記載はどこにまとまっているか、提出に関する説明はどこにあるか、日程や締切はどの形式で整理されているか。こうした“配置の癖”を先に理解しておくと、今年度要項が出た瞬間に確認作業を進めやすくなります。高校2年生の冬に必要なのは、方式別の結論を急ぐことより、確認作業を速く正確にするための土台づくりです。

前年要項で最初に見る場所:方式名より先に「全体像のページ」

前年要項を開くと、まず「総合型選抜」「学校推薦型選抜」といった方式名を探したくなるかもしれません。ただ、読み落としを減らすには、方式のページに入る前に、要項全体の構成を把握するほうが確実です。
多くの場合、要項には全体の目次や、出願から合格発表までの流れ、日程のまとまりがあります。ここで「どの項目が要項に載るのか」「どんな順番で情報が出てくるのか」を掴みます。前年要項の段階では、細部の条件を埋める必要はありません。まずは全体構造を頭に入れ、後から必要なページに戻れる状態にすることが大切です。

前年要項を「自分用の型」に変える読み方

前年要項は、読むだけで終わらせるより、確認項目を自分用に固定していくと効果が上がります。ここでは今年度の数字や条件を断定せず、確認する枠だけを作ります。
最初に、出願資格に関する枠を用意します。誰が対象になり得るのかを判断するための枠です。次に、提出に関する枠を用意します。何を、どの形式で、いつまでに提出するのかを確認する枠です。続いて、選考に関する枠を作ります。試験の形式や評価の観点など、準備内容を逆算するための枠になります。さらに、日程と締切の枠を作ります。出願期間だけでなく、手続きが複数段階ある場合は、その順番を追える形にしておくと安心です。最後に、問い合わせ先や確認先の枠を置きます。公式情報だけでは判断できない点が出たとき、どこに戻ればよいかを決めておくためです。
この枠組みを前年要項で一度作っておくと、今年度要項が出たときは、枠に当てはめていくだけで確認が進みます。

春以降にやることは「差分確認」だけにする

前年要項を使った準備の狙いは、今年度の要項が公開された時点で、作業を“差分確認”に落とし込むことです。
確認の順番は単純で、まず前年に作った枠に沿って今年度要項を見ます。次に、前年と表現や位置が変わっていないかを確認します。最後に、変わった点だけを更新し、残りはそのまま使います。
この手順にしておけば、情報が出るたびに一から読み直す必要が減り、焦りやすい出願直前期でも、確認の精度を保ちやすくなります。

前年要項チェックで起きやすい失敗と、その避け方

前年要項を確認するときに起きやすい失敗は、「前年の条件を前提に準備を確定してしまう」ことです。前年要項は参考になりますが、今年度の最終判断は必ず当該年度の公式情報で行う必要があります。
もう一つは、「方式のページだけを見て、全体の日程や手続きの流れを見落とす」ことです。方式別の情報は重要ですが、締切や手続きの順番は全体にまたがって整理されている場合があります。先に全体像を見てから方式のページに入る、という順番を守るだけでも読み落としは減ります。

次の一歩:候補校がある人ほど、前年要項チェックが効く

志望校の候補がある程度見えている場合、前年要項を確認して枠組みを作っておく効果は大きくなります。候補校ごとに同じ枠で確認できる状態にしておけば、春以降に情報が公開されたとき、比較と判断が進めやすくなるためです。
もし「前年要項を見ても、どこをどう整理すればよいか分からない」「候補校ごとに確認項目を揃えたい」という段階であれば、LINE相談で候補校と気になっている方式を共有していただければ、確認の順番と枠の作り方を一緒に整えられます。

まとめ:高校2年生の冬は「前年要項で読み方の型」を作るのが安全で強い

高校2年生の1〜3月は、方式別の要件や提出物を確定させる時期ではなく、春以降に公開される今年度の公式情報を“速く正確に読める状態”を作る時期です。前年の募集要項は、そのための読み方の練習材料として有効です。前年要項で確認枠を作り、春以降は差分だけを更新する。この流れにしておくと、情報の更新に振り回されにくくなり、出願直前の負担を減らす準備につながります。