第1回で「体育学」の概要に触れましたが、今回はさらに踏み込み、大学における体育学の研究領域について詳しく解説します。「大学でスポーツを学ぶ」とは、単に身体を動かすことではありません。

1. 大学における「体育学」の研究と教育

大学は「未解決問題の解明」を行う研究の場であり、同時にその最先端の研究成果を学生に還元する教育の場です 。体育学は、身体活動に関する文化史、身体の成り立ちや仕組み、スポーツ競技そのものなど、身体に関する事象全てを対象とした広範囲な学問です

  • 体育学の特殊性: 体育学が他の学問と異なるのは、最先端の研究成果に加えて、「高い運動技術」も学生に還元する教育内容に含まれているという点です 。

2. 体育学を構成する「3つの研究領域」

体育学の研究領域は、研究の仕方によって大きく3つの群に分けられます

  • 体育・スポーツ学: スポーツ社会学のように、現代社会におけるスポーツの位置づけを大衆消費社会やメディアとの関係からとらえたり、体育・スポーツ心理学のように運動学習理論やパーソナリティーを学んだりする分野です 。
  • コーチング学: 運動がうまくなるための「運動学」の基礎理論や、選手の競技力と人間力を向上させるための「一般コーチング学」など、競技現場でのコーチングに役立てようとする領域です 。
  • 健康体力学: 運動時の呼吸や循環反応の仕組みを研究する運動生理学や、スポーツ傷害の予防・リハビリなどを研究するスポーツ医学などが含まれます 。

3. 実技と理論を融合させるカリキュラム

大学の専門基礎科目では、これらの理論(専門知識)に加えて、「実技理論・実習」も行われます。各種運動群の実技理論や実習、臨海実習、テーピング・マッサージなどを総合的に学びます

  • 新高3生の春にやること: 自分が専門とする競技の技術を磨くだけでなく、「なぜその動きが良いのか」を力学や生理学の視点(スポーツバイオメカニクスなど)から考えるクセをつけてみましょう 。それが大学での学びに直結します。