
今回は、少子・高齢社会を迎えた現代において、ますますニーズが高まっている「健康科学」について解説します。健康科学は、体育・スポーツ科学だけでなく、さまざまな学問分野と連携して展開される学際的な領域です 。
1. 「健康」とは何か?多様化する健康観
みなさんは「健康とは何か」と聞かれたらどう答えますか?人によって「病気でないこと」や「幸福なこと」「長生きできること」など、考え方は異なります。これを「主観的健康観」と呼びます 。
- 全ての人びとを対象とする: WHO(世界保健機関)は「健康とは、身体的、精神的、社会的に良好な状態」と定義していますが、健康科学は健常者に限らず、疾病や障害の種類や程度など、人の全ての状態に目を向けます 。たとえ病気や障害があっても前向きに生きられる状態を支援する学問です 。
2. 医学・福祉・教育など、幅広い分野との連携
健康科学は、体育学や保健学をはじめ、看護学、福祉学、心理学、社会学、教育学などの幅広い学問分野とつながりながら展開しています 。
- 多角的な学び: 医学概論や生理学などの「医科学中心の学び」、健康教育学などの「健康・保健学中心の学び」、さらには知的障害者指導法などの「特別支援教育中心の学び」など、さまざまなアプローチから生涯にわたる健康づくりを学びます 。
3. 「ヘルスプロモーション」という積極的な考え方
健康科学の根本となる考え方に「ヘルスプロモーション論」があります 。
- 自分で健康を創り上げる: 疾病がないことを意味する「消極的健康」から、よりポジティブな側面に目を向け、QOL(生活の質)の向上を目的とした「積極的健康」を目指す方向へと発展しています 。毎日の食生活、睡眠、運動が健康にどのような影響を与えるかを科学的に追究します 。



