総合型選抜と一口に言っても、その試験内容は大学によって千差万別です。特に「実技試験の有無」は、対策の優先順位を大きく変える重要な要素です。第4回では、日体大や順天堂大といった主要大学を例に、試験形式ごとの攻略法を整理します。

1. 実技試験がある場合:当日の「パフォーマンス」が最大の評価軸

日本体育大学などの総合型選抜では、多くの場合、当日の実技試験が課されます。この形式の最大の特徴は、「過去の実績」よりも「目の前の能力」が重視される点にあります。 たとえ高校時代の記録が平凡でも、入試当日に圧倒的なパフォーマンスを見せれば、逆転合格のチャンスが大きく広がります。逆に、輝かしい実績を持っていても、当日動けなければ不合格になるリスクがあります。このタイプの試験に挑むなら、志望理由書の準備と並行して、入試当日にピークを持っていくアスリートとしての調整能力が問われます。

2. 実技試験がない(書類・面接のみ)場合:「思考の深さ」がすべて

一方、実技試験を課さず、書類選考と面接、あるいは小論文のみで合否を決める総合型選抜も増えています。順天堂大学の一部や、地方の国立大学などに多く見られる形式です。 この場合、評価の100%はあなたの「言葉」と「考え方」に集約されます。実技でカバーすることができないため、書類の完成度や面接での受け答えの精度が極めて高く要求されます。特にスポーツに関する時事問題や、倫理的な課題(ドーピング、ハラスメント、スポーツ格差など)に対する自分なりの見解を論理的に述べる力が不可欠です。

3. あなたの「武器」が最も活きる戦場はどこか?

「自分は動けるけれど書くのは苦手」なのか、「実績はないけれど分析力には自信がある」のか。自分の特性を客観的に把握し、有利な試験形式を採用している大学を選ぶことが、合格への最短距離です。 また、実技試験がある大学でも、実は「実技+口頭試問(実技の解説)」をセットで行うケースが増えています。「なぜその動きをしたのか」を理論的に説明させることで、技術と思考の両面をチェックするためです。どちらの形式であっても、最終的には「技術」と「知性」の融合が合格の鍵を握ります。